ロト、ルビスに関する考古学

 

ロト伝説。

 ドラゴンクエストとは、ここから始まった。
 勇者ロトとその末裔たちの伝説・・・ドラゴンクエストI,II,IIIと呼ばれる不朽の名作。
 そこには、ゲームという形で私たちが接した以上に多くの謎が隠されています。
 それらは、主に精霊ルビス伝説や、アイテム、モンスター物語と言う形で描かれていますが・・・。

 白状します。
 私、このページを作ろうとしたものの、一度は止めようかと思いました。
 というのは、最近のドラゴンクエストがどうにも変だからです。
 第六作に、お山の精霊様としてなんだか勝手なこと言ったあげくに何にもしてくれないというひどい状況でルビス様が登場します。
 さらに、第三作リメイク版では、第六作のゼニス王が登場し、神竜などという「わけのわからないもの」まで登場します。

 考えられることは、堀井雄二さんは、過去のエニックスの公式発表作を遵守するつもりがなさそうだ、と言うことです。
 公式設定では、ルビス自身は炎の精霊であり、お山の精霊様なんかではありません。
 ルビス以外の神々も、盛大に消えてしまっていますし・・・。その代わりにゼニスとマスタードラゴンが幅を利かせています。

 ようやく発売されることが確実になりそうである第七作を経て、ドラゴンクエストはどこへ行くのか・・・。
 変わりゆく世界への嘆きをこめて、このページを書きます。






ルビスとロトの出生


 ルビス。
 本名、ルビス・アピスト・カリクティス。
 精霊達の住まいし大地イデーンにおいてもっとも偉大な五大家の一つ、火を司るカリクティス家の当主・・・になるはずでした。
 彼女がただ歴史の中の一当主に終わらなかったのは、ある一人の少年・・・いや、青年のためです。
 ディアルト・バコバ・コリドラス。
 大地を司るコリドラス家の先代跡継ぎが、地上から来た人間の女と共に駆け落ちして生まれた、イデーンの異端児。
 ただ、彼はイデーンの五大家体制による束縛から自由となる翼を持っていました。
 大いなる翼を持つ鳥、ラーミアを駆ることが出来る故、彼は必要とされ、同時に恐れられました。
 その精霊にあらざる少年と、気の強い次期当主たるお姫様は・・・その自由への渇望からか、お互いに惹かれました。
 その思いは、少年の失踪という事件によって、一度は途絶えたように見えたのですが・・・。
 ルビスが家を継ぎ、結婚を迎える寸前に、再び嵐が起こります。
 大地を司るディアルトと火を司るルビスの二人は紆余曲折を経て、崩壊間近のイデーンで婚礼をあげます。
 その、イデーンの律からはずれた恋がきっかけだったのか、それともそれが定められたことか、その誓いの言葉と共にイデーンを支える魔峰オーブが噴火。
 イデーンは、数々の戦いを含みながら、数少ない者たちを地上へ逃がしつつ、崩壊します。
 これが、全ての始まりでした。
 六つのオーブを持ち、イデーンを救わんとして精霊神となったルビス。
 イデーンの崩壊の過程で生じた真なる魔王を倒さんとするディアルト・・・。
 その本名を、
 ロトといった。
参考文献:小説精霊ルビス伝説上中下巻

七つのオーブ


 ブラック・オーブと呼ばれるものがあります。
 後に地上において六つのオーブと呼ばれるものと同種の、しかし、絶対的に異質なもの。
 そもそも、七つのオーブは五大家と二つの神殿を表し、ブラック・オーブは大地のコリドラス家の象徴。
 なのに、ブラックだけが違う性質を持ち、違う運命をたどった。
 石ながら血を流し、その血を浴びたものは邪悪に変貌します。
 魔峰オーブの崩壊寸前に、ディアルトに胸に納められていたこの宝玉は、 コリドラス家当主にしてディアルトの従兄弟であるダトニオイデス・バコバ・コリドラスによって破壊されます。
 コリドラス家を裏切り、イデーンを崩壊させる原因となったディアルトを殺そうとして。
 結果的には、ブラック・オーブがディアルトを守りました。
 その代わりに、崩壊したブラック・オーブの血はダトニオイデスに襲いかかりました。
 かつて無い存在……いわば魔王となって。
 魔王となったダトニオイデス。
 彼を倒さねばならぬと、共に火口に飛び込んだディアルト。
 元をたどれば、大地のコリドラス家は運命を司るドラゴンの子孫であると言います。
 そして魔峰オーブの火口は地上へと通じていました。
 運命を分かち合った二人はその命を燃え尽きさせつつ地上へと降りていきます。
 後に勇者と呼ばれる者は皆ロトの子孫であり、またロト自身でもあると言われています。
 ブラックオーブの呪いを解き放ったとき、ルビスは再び一人の少女として愛するものの腕に帰るのだとも。
参考文献:小説精霊ルビス伝説上中下巻

伝説の祭具

2000/03/13
 人間の時代になり、ルビスが精霊神となってからしばらくの後、 地上はガイア神がオリハルコンをムー大陸の民に与えたために侵略と略奪が横行するようになっていきました。
 オリハルコンは本来は神々の武器を鍛えるための極めて強固な金属で、通常の人間には扱えるものではありません。
 ガイア神はこれを加工するために必要な高熱を太陽光と月光から生み出す二つの祭器「真紅の水晶」と「黄金の水晶」を盟約の下に貸し与えたのですが、 盟約をかわしたムー大陸の民は世代を経て盟約を破ったのです。
 信仰は忘れられ、欲望と退廃が支配する現状を憂いた最高神ミトラはムー大陸を沈めることを決意しますが、これにルビスが異を唱えました。
 心ある人間だけは救い、異空間に新たな楽園を作ってそこへ移住させようという案でした。
 そうするだけの価値が人間にあるかを試すために、二つの水晶抜きでオリハルコンの剣とブルーメタルの鎧とミスリルの盾という三つの神具を奉納出来るか否かというものでした。
 責任を問われて幽閉されていたガイア神に協力を願ったルビスの尽力もあってこの祭具は完成し、 ルビスがアレフガルドと呼ばれる大地に向けて、信仰を持った人々は旅立っていきました。
 このときに神器作成の試練に向けて指揮を執った人間が、後のアレフガルドのラダトームとムーンブルク王家に繋がります。
 そして詳細は不明ですが、このときに「ロト」と呼ばれる人物が何らかの役割を果たし、アレフガルドには勇者の称号として「ロト」という名が伝えられます。

 こんな言葉が残されています。
「あなたにはやらなければならないことがあります。
 闇の力を打ち破るのです。
 それはあなたにしかできないこと。
 わたしがついています。
 お願いです、私を思い出して下さい。
 あなたをうち負かすことができる者は誰もいないのです。
 なぜならあなたはロトなのですから」
 おそらくはこれが、アレフガルド創設時のルビスとロトとの会話なのでしょう。

 なお、後に「真紅の水晶」は太陽の石、と。
 「黄金の水晶」は月のかけら、と。
 オリハルコンの剣は王者の剣、と。
 ブルーメタルの鎧は光の鎧、と。
 ミスリルの盾は勇者の盾、と。
 それぞれ呼ばれつつ、アレフガルドの大地に伝わっていきます。
参考文献:ドラゴンクエストアイテム物語「王者の剣」
ゲームブックドラゴンクエストII下巻第三八五番
小説ドラゴンクエストII下巻


ドラゴンクエストIII前奏

2000/03/30
 いつのころかは解りません。
 大魔王ゾーマと呼ばれる存在が姿を現しました。
 滅びを喜びとし、人々の絶望を食らい、悲しみの涙で喉を潤すとまで言われる、邪悪なる存在です。
 彼は精霊神ルビスを封印し、アレフガルドを永遠に続く夜の闇で覆い、そして配下の一人バラモスを地上侵略の指揮官として使わしました。
 邪悪なる者。魔の王たるもの。そして「ロト」と戦う者。
 おそらくはゾーマこそが、イデーンにおいてブラックオーブの呪いを受けたダトニオイデスそのものかあるいは転生体であると考えられます。
 なぜゾーマがアレフガルドを根拠地としたのかはよく解っていません。
 太陽を嫌った大魔王にとって、直接太陽が降り注ぐわけではない異空間世界アレフガルドが都合良かったとみることもできますし、 あるいは片割れたる「ロト」を追い求めて、「ロト」の妻たるルビスを狙ったのかもしれません。
 ともかくゾーマはアレフガルドの中心に居城を置くと、その魔力で地上とアレフガルドを繋げてしまいました。
 そして、地上と地下の両方で魔物の大侵攻が始まりました。
 但しこのとき、彼は自らの進行経路とともに、みずからの破滅への経路を作っていたのです。
 それは後年のロトなり、彼の手にする王者の剣を鍛え上げたジパングの刀鍛冶師なりをアレフガルドに招くことになるのです。

 アレフガルドでは、ムーから引き継がれてきた神々の武具を作る術が残されていたこともあり、それらの強大なる武具が戦線を支えていたようです。
 事実、ゾーマとの最終決戦当時のリムルダールには極めて強力な武具が売られています。
 それら武具の中でも最強たる三つの神具「王者の剣」「光の鎧」「勇者の盾」の三つは特にゾーマも恐れたらしく、 厳重に保管されていたであろうラダトームより奪われて「光の鎧」は後に雨のほこらとなるルビス封印の塔に、 「勇者の盾」は大魔王の居城と直結して全ての呪文が封じられたラダトーム北西の洞窟の中に厳重に保管されなおしました。
 そして「王者の剣」は、やはり最も恐れたのでしょう、ゾーマによって破壊されたようです。

 一方地上ではバラモスがゾーマのことを完全に伏せたままで魔王として地上を暴れ回りました。
 彼の侵略は狡猾を極め、ジパング、サマンオサにおいては配下のヤマタノオロチ、ボストロールをそれぞれ国の王に化けさせるという手段で着実に地上を制覇していきました。
 その動きに逆らったのがアリアハンの勇者オルテガ、サマンオサの勇者サイモン、そして名の知られていないホビットの戦士でした。
 このうち「ロト」の子孫であることが確実なのはオルテガ一人ですが、彼自身は「ロト」そのものではありませんでした。
 サイモンはサマンオサ全土を人質にとったボストロールによって獄死させられ、一人バラモスの居城のあるネクロゴンドに向かったオルテガもバラモスと相対する前に火山の火口に落ちて死んだと言われました。
 もはやバラモスの……そしてゾーマの野望を止める者はいないと思われた時代。
 冒険者たちが集う街アリアハンにて、オルテガの息子が立ち上がりました。
 後の世に言う「ロト伝説」はこれより始まります。


ドラゴンクエストIII

2000/04/24
 オルテガの息子……アレル、という名前であったと言う説が一般的です……は、一人ではありませんでした。
 冒険者達が集う街が彼の冒険の始まりであったことは、彼にとって計り知れない幸運であったと言えるでしょう。
 彼は少なくとも複数の仲間達と冒険を共にし、時に出会い、あるいは時には別れながら、 バラモスが支配を固めつつあった地上を次々と奪還していきました。
 そして、ついにバラモス本人までもが敗れるに至って、ゾーマはアレルに挑戦状を叩きつけました。
 地下世界アレフガルドとの道であるギアガの大穴に、自らの魔力を持って大穴を空けたのです。
 空けなければアレルはアレフガルドに行くことは不可能だったでしょう。
 そのまま地上に多数のモンスターを送り込めば済むところを、大魔王ゾーマは自ら勇者を自らの大地に招聘しました。
 まさにこれこそが、両者が分かつことの出来ない二人であったことの証といえるでしょう。
 ゆえにこそこの物語を称して、ドラゴンクエストと呼ばれるのではないでしょうか。

 大魔王ゾーマとの決戦を前にして、アレルは自らの力とともに多くの神器をもそろえました。
 ゾーマが恐れた勇者のための装具の数々を。
 ゾーマが自ら破壊したという王者の剣は、皮肉にも彼の魔力によってジパングからアレフガルドに迷い込んできた 一人の鍛冶職人の手によって再生されました。
 いや、それも意図的だったのかも知れません。
 闇に閉ざされたが故に、アレフガルドには太陽の石こと真紅の水晶があってさえ、そもそもオリハルコンの鉱石を加工する手段がありませんでした。
 だが、あまりにも意図的に彼の剣の材料であるオリハルコンは用意されており、その剣を再生させる人物も揃っていました。
 ゾーマは、あるいは彼の宿敵である「ロト」をアレルの中から引きずり出すために、それらを狙っていたのかも知れません。
 また、ゾーマの纏う闇の衣……それはすなわちブラックオーブの血そのものである可能性がありますが……それをはぎ取るためにアレルは地上の龍神たる竜の女王から 宝具、光の玉を受け取りました。
 しかし、衰弱していた竜の女王はその後に逝去し、光の玉を受け継ぐことのない卵のみが彼女の城に残されました。
 これは、次の世代の伝説への橋かけとなるのですが、それは後の話です。

 そして、ついにルビスとロトは巡り会いました。
 ゾーマに封印されていた彼女をマイラの塔にて救い出したのです。
 ですがそのときにアレルはルビスの記憶を有してはいませんでした。
 後に間違いなく「ロト」と呼ばれる彼でしたが、彼は「ロト」その物ではなかったのです。
 だから、ルビスは思いを告げることなく約束したのでしょう。
 後の時代、あなたの子孫に必ずこの恩を返すことを。
 彼の子孫……すなわちそのどこかで、ルビスは真なる「ロト」と巡り会うことを待つことにしたはずです。
 その証として、彼女は「ロト」に聖なる守りを渡しました。

 ゾーマとロトの邂逅のときには、お互いがお互いであることを認識してはいなかったようです。
 ですが、ゾーマはロトに向かい「我が生贄となれ」と言っていることから、明らかにロトを待っていた節があります。
 オルテガを倒したキングヒドラの他、魔王級のバラモスブロスや、一度ロトに倒されたバラモスゾンビを最後の間に用意していたのも、 ロトが来ることを待ちかまえていたからと考えられます。
 用意した幹部たちを次々に撃破し自分に迫るロトを、ゾーマはどのような思いで見つめていたのでしょうか。
 「我が腕の中で息絶えるがよい」
 遂に自分の前に行き着いたロトに対して、ゾーマが告げた言葉です。

 光の玉がゾーマの闇の衣をはぎ取り、ロトと仲間たちの呪文と剣がゾーマをうち倒しました。
 しかし、ゾーマは言い残します。
 必ず何者かが闇の中から現れようと。
 崩れ行くゾーマの宮殿から脱出する際、ロトは真っ黒な光が竜の翼に吸い込まれていくのを見たという説もあります。
 黒い光はゾーマ……ダトニオイデスの永劫なる魂であり、竜の翼とはすなわち後の竜王となるのでしょう。

 ロトの生還とともに、アレフガルドを闇に閉ざしていたゾーマの魔力も途絶えました。
 それと同時に、アレフガルドと地上を繋げていた魔力もまた消滅し、アレフガルドは独立した世界となりました。
 故に、ロトは地上に帰る術が無かったのではないかと言われています。
 ラダトーム城に凱旋したロトは、ラルス一世から伝説の称号である「ロト」の名を贈られました。
 彼が、彼の名前に再び巡り会った瞬間でもあります。
 それ以後、王者の剣、光の鎧、勇者の盾、聖なる守りはロトの装具としてラダトームに残され、そして何故かロトと仲間たちの姿を見た者はいないと言われています。
 しかし、ロトは子孫に対して書き残しています。
 魔の島に渡る三つの物を三人の賢者に託すと。
 これらは太陽の石、雨雲の杖、そしてロトの印のことだと考えられますが、三人の賢者とはロトの三人の仲間のことであるとの説が有力です。

 そして、長らく平和が続きました。


ドラゴンクエストI前奏

2000/12/11
 ロトの時代から流れること数百年経ったラルス8世の時代。
 突如として現れた竜の女王の子供竜王がゾーマの宮殿跡に居城を築き、アレフガルド全土に天変地異を起こし、アレフガルドの支配を宣言しました。
 ラルス1世の時代とラルス16世の時代の地図を比較すると、島であったマイラ地方がラダトーム側と地続きになり、メルキドと繋がっていたリムルダールが島になっているなどの変化が起こっていますが、それはこの時期の変動によるものと考えられます。
 この大変動によって多くの村が壊滅し、同時にアレフガルド全土に魔物がはびこり始めました。
 ラルス8世は、ラダトームの対岸に出現した孤島の居城へ向けて討伐軍を派遣しましたが、竜王の魔力と魔物の襲撃によって全滅してしまいました。
 ただし、この戦いで竜王軍が受けたダメージも少なくなく、竜王は腹心である大魔道カトゥサに新たな魔物を作ることを命じました。
 この陰謀に巻き込まれたのが、二つに分かれたロトの血を引く戦士グレイです。
 グレイにはドムドーラの兵士になっていた弟がいましたが、彼はドムドーラの武器屋の娘と結婚する前日にカトゥサの策によってモンスター鎧の騎士の実験台にされてしまい、やむなく彼は弟を切りました。
 竜王への復讐を誓った彼はラダトームへ向かい、仕官した軍の中で頭角を現すようになります。

 竜王の島と向かいにあるラダトームでは、ロトにまつわる祭具を密かに城の外に運び出す作業が続いていました。
 ラルス8世は自由戦士としての経験の深いグレイにロトの鎧の運び出しを依頼します。
 その依頼は奇妙なもので、どこに運び出せばよいというものではありませんでした。
 これはゾーマが死んだ後にルビスによって予言されたものだというのです。
 竜王を倒すのはいずれ現れるロトの血を引く者によるので、その継承者を待たねばならないこと。
 ロトの武具を城外に運び出せば、いずれロトの魂がそれを継承者の手に渡してくれるだろうと。
 この当時、ロトの血筋はグレイの持つ太陽の血筋と、もうひとつの雨の血筋に分かれており、竜王を倒せるだけの力を持っていなかったということになります。
 二つに分かれたロトの血筋とは、すなわちルビスの待望するロトの魂も二つに分かれていたのではないでしょうか。
 既にロトの剣、盾、しるしは運び出され、残るは鎧だけだというのです。
 ともかくグレイは、自分に流れるロトの血筋を自覚することなくロトの鎧を纏い、再び旅の戦士となりました。

 なお、グレイの放浪の時期にアレフガルド全土の情勢は大きく変化しています。
 満を持してラダトームを攻めた竜王の軍は、ラダトームを落城寸前にまで追い込みましたが、南海の国ベラヌールからの援軍によって六魔将の一人を失い、撤退を余儀なくされていました。
 また、ラダトームとともに竜王が最重要攻略拠点として三人の魔将を送り込んだ城塞都市メルキドの戦いで、ラダトーム攻略用に用意されていたストーンマン部隊がメルキドの守護神たるゴーレムにより全滅。
 この戦いでゴーレムはカトゥサの陰謀により混乱してしまい、近寄るものを人やモンスターの区別無く襲うようになりましたが、それでもなおメルキドの城門を守り続け、三人の魔将は撤退を余儀なくされました。
 グレイが宿敵としたカトゥサは、鎧の騎士の製造に関する独断専行の罪と重ねて竜王によって粛正されています。
 これらによって竜王側は決定力を失い、アレフガルド全土は魔物が横行しつつも各街の人間たちの勢力は残り続ける時代が続くことになります。

 さて旅を続けるグレイは、ルビスより啓示を受け、「鎧を新しき故郷に、守るべき家族と暮らす家の傍に埋めなさい」と告げられます。
 そして、彼の旅は弟のいたドムドーラに行き着きます。
 またこの前日、ロトのもうひとつの力、魔力をうけついだ雨の血筋を伝える巫女が旅の果てに「大きな樫の木のある街に行け」とのルビスの啓示を受けてドムドーラに行き着いています。
 この樫の木とは、グレイの弟の婚約者だったエリザの父が営む武器屋の傍に立つ巨木のことを指していました。
 数年後、グレイは剣を捨ててエリザと結婚し、雨の巫女も道中をともにした青年と結婚し、ドムドーラに二つのロトの血が定住することになりました。
 グレイは、継ぐことになった武器屋の隣りにある樫の木の下にロトの鎧を埋めました。
 しかし、二つの血が交わるまでには今少しの時間を必要としました。

 

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